経営コンサルティングと経営顧問は、何が違うのか

経営顧問は、特定の課題を期間限定で解決するコンサルティングと異なり、経営者の意思決定そのものに継続して関与する立場です。契約の形、関わる範囲、成果の測り方の3点で違いを整理します。

「コンサルを入れるべきか、顧問を置くべきか」という相談をよくいただきます。名称の違いに明確な定義があるわけではなく、同じ言葉を別の意味で使っている会社も多くあります。ここでは、当社が実際にどう線を引いているかを書きます。

端的な違い

経営コンサルティングは、特定の課題を期間限定で解決する仕事です。経営顧問は、経営者の意思決定そのものに継続して関与する立場です。

課題が明確で、それを解けば前に進むと分かっているなら、コンサルティングのほうが合理的です。「新規事業の市場調査をしたい」「業務フローを再設計したい」といったケースがこれにあたります。

一方、何に手をつけるべきかの判断自体が定まっていない場合、課題を切り出して外注する前段階でつまずきます。当社に来る相談でもっとも多いのは、組織や人の問題ではなく「自分の判断を整理したい」というものです。この状態では、解くべき問題を決めること自体が仕事になります。

3つの観点で整理する

契約の形

コンサルティングは、案件ごとのプロジェクト契約が一般的です。成果物と期間が先に決まります。顧問は継続契約で、当社の場合は法人が月額制の年間契約(更新制)、個人が3か月から2年を目安としています。

関わる範囲

コンサルティングは、契約で定めた領域の中で動きます。範囲が明確なことが利点でもあります。顧問は範囲を切りません。当社では、経営戦略・資金・営業・組織といった事業面と、経営者自身の意思決定や人生設計を分けずに扱っています。事業の成果は経営者の判断の質に規定されるため、両方を同じ一人が把握していないと打ち手の精度が落ちる、という考え方によるものです。

成果の測り方

コンサルティングは成果物で測れます。報告書、設計図、施策の実行結果。顧問は成果物がありません。測れるのは、意思決定の速さと精度がどう変わったか、そして事業の数字がどう動いたかです。分かりにくい代わりに、効いている期間は長くなります。

どちらを選ぶかの判断

次の3つに当てはまるなら、顧問のほうが合っています。

  1. 何から手をつけるべきかが、自分でも整理できていない
  2. 判断をいつも一人で決めていて、相談できる相手がいない
  3. 事業の課題と、自分自身の課題が、混ざっている自覚がある

逆に、課題が明確で、必要なのは実行部隊だという場合は、その領域の専門家に個別に依頼したほうが速く、費用も抑えられます。当社でも、実務は提携する専門家が担当し、全体設計と進行管理だけを当社が受け持つ形をとることがあります。

「顧問」という言葉の幅について

2020年版小規模企業白書によると、中小企業・小規模事業者の日常の相談相手として、企業規模を問わず最も回答が多いのは「税理士・公認会計士」でした(出典:中小企業庁「2020年版 小規模企業白書」2020年)。

顧問という肩書は、税理士・弁護士・社会保険労務士のような士業の顧問から、月1回の助言のみの名義的な顧問まで、実態に大きな幅があります。契約前に確認しておくとよいのは次の点です。

  • 打ち合わせの頻度と時間(当社は原則として週1回30分)
  • 打ち合わせ以外の連絡が可能か
  • 事業面だけか、経営者個人の相談も含むか
  • 契約終了後の関わり方(当社はおおむね3年間は相談に応じる方針です)

経営の専門家との顧問契約でも、関わり方は一様ではありません。中小企業診断協会の調査では、顧問契約を結んでいる中小企業診断士が顧問先へ出向く日数は、公的業務の売上割合が「かなり高い」方で平均月2.1日、民間業務の売上割合が「かなり高い」方で平均月4.8日でした(出典:一般社団法人中小企業診断協会「『中小企業診断士活動状況アンケート調査』結果について」2021年)。

肩書ではなく、この4点で実態を比べたほうが確実です。

費用について

当社は顧問料を公開していません。同じ相談でも必要な深さが人によって異なり、先に金額だけを提示すると、必要のない支援まで含んだ数字か、足りない支援しか含まない数字のどちらかになってしまうためです。お話を伺ったうえで個別にご案内しています。

判断がつかない段階でも構いません。顧問契約の前に、初回90分の経営診断セッションを無料でご用意しています(毎月3名限定)。その場で課題が整理できて終わりであれば、それで構いません。

出典

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